お客様への想い

いかにも落ち着いた大人のカップル。そんな印象のおふたりに出逢ったのは、私が銀座ダイヤモンドシライシに務めて間もないころだったでしょうか。お客様をお席へご案内し、当店のブライダルリングに秘められたストーリーのこと、また「インサイドウィッシュ」として、リング内側にお互いへのメッセージを込めたシークレットストーンをお入れできることをご紹介し、やがてペアの素敵な結婚指輪をお選びいただいたのです。

それから数週間後、嬉しいお申し出がありました。
なんと、おふたりの結婚式に招待されたのです！
ふたつ返事でお受けしたことは、言うまでもありません。

そして、待ちに待った結婚式当日。指輪交換の儀式の際には、参列されたゲストの方が結婚指輪をバトンのように次々と手渡し、おふたりに届ける「リングリレー」が行われたのです。
私もその祝福の輪に仲間入りをし、永遠の絆が結ばれた瞬間をしっかり見届けることができました。
そして結婚指輪の内側には、おふたりがこの日までお互いに内緒にしていたインサイドウィッシュがキラリ。
新郎様から新婦様へは「Red Cherry Dia(感謝、守る)」、
新婦様から新郎様へは「Ice Blue Dia（永遠、幸せ）」が
埋め込まれていたのを初めてご確認された瞬間、
たいへん感激されていたおふたりのご様子が印象に残っています。

自らご案内さしあげた結婚指輪がご縁で結婚式にご招待いただき、しかもそのリングが、おふたりにとって一生に一度の愛のセレモニーのまさに「主役」として披露されるとは……。身に余る光栄というほかありません。
ダイヤモンドのようなその思い出は、すべての「おふたり」が幸福になれるリングを探して差し上げたい、そんな願いの源としていつまでも、私の胸で輝き続けることでしょう。

若いカップルがおふたりでご来店されました。
店内で婚約指輪・結婚指輪をご覧になったおふたり。
お話を伺うと、おふたりは共に学生で、両家のご両親には社会人になるまでは…と結婚を反対されているとのこと。
ふたりで将来の話をしているうちに、ふらっとお店に立ち寄ってしまったというおふたりに私は婚約指輪・結婚指輪の意味や選び方をご説明させていただきました。
おふたりは「すぐに結婚するわけでない僕たちにはブライダルリングはまだ早かった。結婚するときにまた来ます！」とお店を後にされました。

二週間後、そのときの彼がおひとりで再度ご来店されました。
「結婚指輪が結婚する時に買うものだということはわかりました。
でも婚約指輪は婚約の証と教えてくれましたよね？
僕たちは社会人になるまであと数年は結婚はできませんが、僕は必ず彼女と結婚するつもりです。
だから僕が婚約指輪を贈るのは、「今」であるべきと思ったんです。」

そう言って、バイト代で貯めたというお金で、大切な彼女への婚約指輪を真剣に選ばれた彼。
お客様のその真摯な姿に、婚約指輪が持つ意味・想いを、私たちコンシェルジュが改めて教えられた出来事でした。